小学生編 プロローグ

熊本県 熊本市。市内に“三角公園”と言われる。そのまま三角の形をした公園がある。ブランコが繋がっている滑り台に、砂場、鉄棒の遊具があり、三角の一辺に川、二辺が道路になっているこの公園で二人の少年が元気よく遊んでいた。

少年達がいる地域はマンションや団地が周りに多く、田舎過ぎず都会過ぎない土地だ。

この日は凄く天気がよかった。夕焼けに染まった空の色が帰宅の時間を表していた。

「かずまさ!遅いぞぉ!」

「まってよ、そっちを走ったら危ないって!」

「大丈夫だよ!それよりお菓子だ、お菓子!」

二人の少年の楽しそうな声が聞こえる。

いつも近くの駄菓子屋で、なけなしのお小遣いをはたいて10円単位の駄菓子を小腹が空いたら買いに行く。少年達にとってはこれが遊ぶ時の恒例行事だ。

お菓子を買いに誘われた、かずまさと呼ばれた少年が反発する様に言う。

「ていうか、りっくん!さっきも食べたじゃん!」

「また食べたくなったの、よし競争だ!」

りっくんと呼ばれた少年はそう言うと、元気よく公園を走り出る。その後をかずまさと呼ばれた少年が慌てて追った。

「ずるいぞ!」

「かずまさの反応が遅いんだよ。」

少年達は無防備に笑う。楽しかった。夢中だった。

周りが・・・・・・・・見えていなかった。

「絶対追い抜いて・・・・えっ・・・・。」

ドン!っと鈍い音が鳴り響く。

かずまさと呼ばれた少年の顔に、生暖かい何かが飛び込んできて視界が奪われ、驚いてた少年の耳に、キィイイと甲高いブレーキ音と、中年男性の声が届く。

かずまさはその生暖かい何かを手で拭き取り、戻った視界で自分の手元を見ると、ドロドロとした真っ赤な液体で染まっているのが分かった。ふと前に顔を上げると、大きな銀色のトラックが目の前にあり、すぐ下のタイヤには、小さな腕が力なく横たわっていた。

次話

ある小学校の体育館裏。ここは普段、立ち入り禁止のPOP広告と紐が一本だけ引かれており、本来生徒は立ち入ることの出来ない場所だが、素行の悪い生...
スポンサーリンク
スポンサーリンク
スポンサーリンク

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする

スポンサーリンク
スポンサーリンク