Twitter投稿 短編『泣き虫が笑った。』


泣き虫が笑った。

とても泣き虫だった僕に笑顔をくれたのは、ある一人の少年だった。

彼は強くて。いつも、いじめられていた僕を助けてくれた。

それから僕はその少年と一緒に遊ぶ機会が増えて、とても仲良くなった。

彼は言う。「俺にとってお前はかけがえのない存在で、お前がいないと何もできない。」と。

そんなの僕だってそうさ、君がいないと、泣き虫だ。

ある日、弱いだけだった僕が不思議な力を手に入れた。

いつも助けてくれる友達を、僕自身の手で守れると、とても喜んだ。

友達の彼は辛い過去をもっていて、時々死んだような目を見せる。

この力で、少しでも彼の心の支えになれるなら、とても嬉しい。だから僕が出来る事ならなんでもする。

もっと強くなる。いろんな意味で強くなる。だけど、世の中には抗えないくらい残酷な運命というものがある。

それは交通事故だったり、突然の通り魔だったり。

そして今恐らく僕は、その抗えない残酷な運命というものに、大事な友達と一緒に直面している。

やっぱり人生そう上手くはいかないな・・・。

でもなんとしても、彼だけは助けたい。どうしても助けたい。

あぁ、神様!僕はどうなってもいい!彼を助ける為の力と勇気をください!!!

強く願った、強く思った。すると不思議と勇気が湧いてきた。

いまなら何でもできる気がする。

僕はそのまま勢いよく飛び出した、そしたらなんとか彼の身代わりになる事ができた。

力なく倒れる僕を、優しく包み込むてが触れた。

「頼む!死なないでくれ・・・。おれはお前がいないとダメなんだ。」

少年は大きな涙を流す。

あぁ、しまった。

逆に彼を泣き虫にしてしまった。

「ごめんね?」

恐らく僕はもう長くないだろう。だってこんなに血が流れているのだから。こんなに身体が冷たくなっていくのだから。

僕が死んでも、僕がもらった優しさを彼には他の人にも分けて欲しい。

これまでいろんな事があったね?

今となってはどれもいい思い出だ。

とても楽しかった。彼の手はなんだか暖かい。彼の流す涙さえも暖かい。

僕は疲れてそっと目を閉じた。だけど不思議と目の前に光のようなものが見える。

僕はただ呆然と光に向かって歩き出した。

あの先はきっといい場所なのだろう。でも、あの場所に行ってしまえば、きっと親友にはもう会えないのだろう。

一つ心残りがあるとしたら、もうちょっと君を見ていたかった。

もう少し君を知りたかった。

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